Let's try Jazz Piano
コード暗記法(筋トレ編)
Jazzには、難しぃーコードがたくさん出てきます。
こんなにたくさん覚えられないよ。と、その煩雑さが、Jazzのとっつき辛い大きな要因だと思います。
とは言っても、コードを覚えないとJazzアレンジは始められません。
という訳で、もう可能な限りシンプルにしてしまいましょう。
最低限覚えないといけない4つのパターン。メジャー、セブンス(7)、マイナーセブン(m7)、メジャーセブン(△7またはM7またはMaj7)。
dim7とかm7♭5とかsus4とか知りません。笑。
メジャーに加えて、7とm7と△7。この4つ以外は無視して、知らないふりでいきましょう。それでも十分曲になります。
とりあえず普通のメジャーコード(Cとか)は置いといて。
7とm7と△7を覚えていく方法を以下に述べます。
と、その前に、今後の説明のため、1つだけ音楽理論の基本を理解する必要があります。
それは、音程(5度とか7度とか)のことです。
まずC(ハ長調)のメジャースケールで考えてみます。
これは誰もが知っているドレミファソラシドです。ソは青いソラー♪です。笑。
Cのコードの最も基盤となる音はドです。これをルートと言ったり1度と言ったりします。
ルートを1度として、ドレミファソラシドを順番に2度、3度・・・・というようにドからみた音の高さの度合いを表現しているのが音程です。
具体的には、

これがCのメジャースケールです。ドが1度なので、レが2度、ミが3度、ファが4度・・・・ということになります。
ちなみに、Jazzでは♭5や♭9、♯11なんかがよく出てきます。
♭5は5度の音を半音下げた音。つまり、Cであればソ♭の音が♭5の音、ということになります。
♭9、♯11は、何であえてそう表現するようになったのかはわかんないけど、7を引き算して、♭2と#4と同じです。
つまりCの場合、♭9の音はレ♭、#11の音はファ#、ということになります。ま、この辺は余談です。
とりあえず、Cの3度はミ、5度はソとかその辺りが分かればOKです。
では、早速コード練習方法、、、の前に。。。もう1つ2つウンチクを。笑。
Jazzピアノを演奏する時に最初に覚えるテクニックがあります。それはオープンボイシングです。
実際のJazzピアノの演奏では、オープンボイシングを多用することになるので、これからコードを覚えるのであればせっかくなのでオープンボイシングで全部覚えていきましょう。
あと、もう1つ。Jazzのスタンダード曲にはよく出てくるコード進行があります。
なので、これからコードを覚えるのであれば、せっかくなのでJazzに最もよく出てくるコード進行であるⅡm7-Ⅴ7-Ⅰ△7の進行で覚えていきましょう。
あれ、Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ△7 って何?ってなりましたか??笑。
大丈夫。ちゃんと説明します。
単音の音程とは別に、コードにも音程という考え方があります。
例えばハ長調の曲であれば、その曲の基盤になるコードはCですよね?
このCのコードをⅠとして、Dの和音をⅡ、Eの和音をⅢといったように、さっき出てきた単音の音程を和音に当てはめているのがコードの音程です。
つまり、ハ長調であれば、ⅠはC、ⅡはD、ⅤはGのコード、ということになります。
なので、ハ長調のⅡm7-Ⅴ7-Ⅰ△7 は、Dm7-G7-C△7。ということになります。
では、Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ△7 をオープンボイシングで弾く方法の説明をします。
< オープンボイシング >
オープンボイシングは、左手で1度と7度の音、右手で3度の音を押さえる和音の弾き方です。
曲の中でオープンボイシングを使うときは、右手は3度の上でメロディーの音も加えて押さえます。
例えば、ハ長調のⅡm7-Ⅴ7-Ⅰ△7 、つまりDm7-G7-C△7 を実際に弾いてみるならば、

ということになります。
1つ1つ見ていきましょう。
まず最後のC△7から。
Cの1度はド、7度はシです。なので左手でドとシを押さえます。
Cの3度はミなので右手はミを押さえる。これが、C△7のオープンボイシングでの押さえ方です。
次にDm7とG7。ここで注意が1つ。
7度の音について、です。
△7の7度は、そのまま7度の音を弾きますが、△7以外の和音、つまりm7や7では、7度の音は半音下、つまり♭7の音を弾きます。
具体的に見ていきましょう。
Dm7です。Dのメジャースケールは、レミファ#ソラシド#レです。
まず左手。Dの1度はレ、7度はド#ですが、△7ではないので、7度の音は半音低いド♮を弾きます。
次に右手。Dの3度の音はファ#ですが、ここはmなので、3度の半音低い♭3、つまり右手はファ♮の音を弾きます。
その結果、左手は、レとド。右手はファを押さえれば、Dm7のオープンボイシングが出来上がります。
G7です。Gのメジャースケールは、ソラシドレミファ#ソです。
まず左手。Gの1度はソ、7度はファ#ですが、△7ではないので、7度は半音低いファ♮を弾きます。
次に右手。Gの3度はシなのでシを弾きます。
その結果、左手はソとファ。右手はシを押さえれば、G7のオープンボイシングが出来上がります。
これで、ハ長調のⅡm7-Ⅴ7-Ⅰ△7 がオープンボイシングで弾けるようになりました。
これを全てのキー(12音階)で覚えていけば、一気に全てのコードを覚えてしまうことができます。
またⅡm7-Ⅴ7-Ⅰ△7 は、頻出のコード進行なので、実践的なコード進行で全てのコードを覚えることができます。
では、具体的にどうやって、全てのキー(12音階)のⅡm7-Ⅴ7-Ⅰ△7 を覚えていくか。
それを記載してこのコーナーは終わりです。
< Circle of 5th >
Circle of 5thって聞いたことがありますか?
反時計回りに5度ずつ上がっていく。または時計回りに4度ずつ上がっていく。それを円で表したものがCircle of 5thです。

このCircle of 5thには、いろんな魔法がかけられています。
その1つを用いながら、Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ△7を覚えていくことにしましょう。
Cのキー(ハ長調)のⅡm7-Ⅴ7-Ⅰ△7は、Dm7-G7-C△7でした。
Circle of 5thの左上辺りのDから時計回りに見てみましょう。D-G-Cと並んでいますね。
つまり、Circle of 5thは時計回りにⅡ-Ⅴ-Ⅰの音程が順番に並んで円になっているのです。
この特徴を使えば、このCircleを見ながら、Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ△7を異なるキーで順番に弾いていくことができます。
まず、Dm7-G7-C△7から始めてみましょう。
その次は、Circle of 5thに沿って3つのコード全て1つずつ反時計回りにずらします。
すると、Am7-D7-G△7というⅡm7-Ⅴ7-Ⅰ△7になります。これはGのキー(ト長調)のⅡm7-Ⅴ7-Ⅰ△7になっています。
それができれば、また3つのコード全て1つずつ反時計回りにずらして、Em7-A7-D△7(二長調のⅡm7-Ⅴ7-Ⅰ△7)
さらに1つずつずらして・・・・
という感じで、Circle of 5thを1周回ると、12音階全てのm7、7、△7が登場することになります。
ココでは3つのコードを反時計回りに1つずつずらしていきましたが、別に時計まわりに1つずつずらして練習しても構いません。
Jazz standardナンバーはE♭やB♭がよく出てくるので、そちらの方が早くE♭やB♭を覚えられるメリットがあるかもしれませんね。
どうでしょう?初めて実際にやってみると、最初のⅡm7-Ⅴ7-Ⅰ△7を探すだけで大変です。
やっとⅤ7を弾けたと思ったら、もうⅡm7を忘れてますよね?笑。そんなもんです。
完璧主義にならないことが大事です。覚えるまで絶対次に進まない!!、とやっているとDm7-G7-C△7はプロ並みに弾けるようになるでしょうが、多分前に進みません。
忘れるのは当たり前。また覚えなおせばいいや、という気持ちで次に進みましょう。
1-2日当たりに前日までの復習と、できれば新たに1つのキーのⅡm7-Ⅴ7-Ⅰ△7を増やす。とかで。
そんな感じで地道に覚えていくと、最初はいちいち音程を数え直して弾いていても、いつの間にか自然と音程を数えることなく弾けるようになってくるはずです。
繰り返し練習のパワーってすごいです。
ただ、この練習方法は、言わば頭の筋トレのようなものです。
自分の頭の筋肉をイジめて鍛えていく練習方法です。
筋トレは筋トレで達成感もそれなりにあるんですが、やっぱり実際のJazz演奏に近い形でコードを使ってみたいですよね。
なので、Circle of 5thで半周くらい進んできたら、実際にコード譜を使って、曲を演奏しながらコードを覚える練習もしてみましょう。
その練習方法を次のページに記載します。