Let's try Jazz Piano
<ドミナント7>
jazzを演奏する上でドミナント7を意識することは、jazzになるかどうかの分岐点と言っても過言ではない!?、くらいに重要です。
どういうことかと言うと、ドミナント7の時に使えるテクニックがたくさんあって、それぞれの技が個性を持っている。つまり、ジャズがジャズであるための魔法を使えるポイントとなる場所なんだと思います。
まずは、ドミナント7とは。から。これは単純です。
曲のコード進行のⅤ7-Ⅰの動きのことをドミナントモーションと言います。
そして、このⅤ7のコードのことをドミナント7と言います。
これまで例に挙げてきた、Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ△7のⅤ7がまさにドミナント7です。
裏コードの技を使えるのもこのドミナント7でしたよね。
で、このⅤ7-ⅠのⅤ7の時に使えるスケールがたくさんあるんですね。
え?たくさんある、ってまた大変やん!って思いました??笑。
はい。大変です。
でもね。この項を読んだあとにでも一度、だまされたと思って1つスケールを頑張って覚えて、それでソロを作ってみてください。
これまでジャズの魔法を聴くばかりだった自分が、ジャズの魔法使いの一員になれる瞬間が、身に刻まれるはずです。笑。
<ドミナント7の時に使えるスケール>
1.Mixolydianスケール
2.Lidian♭7スケール
3.Alterd スケール
4.Combination diminish(コンディミ)スケール
5.Wholetoneスケール
って、いっぱいありますよね。汗;)
大丈夫です?僕も全然全部使いこなせないです。笑。
大切なことは優先順位!です!!
ここでは、ドミナント7の最も優先させたいスケールとして、Alterd(オルタード)スケールを挙げたいと思います。
<Alterd(オルタード)スケール>
これが、ハ長調(C)のオルタードスケールです。
まずはオルタードスケールを覚えて、即興演奏に使えるようになるように練習していきましょう。
では、具体的にどうやって練習するか。
これはいつもの2パターンです。
1.Circle of 5thを使って、筋トレで覚える。
2.実際のコード進行の流れの中でオルタードスケールを使ったフレーズを作ってみる。
<Alterd(オルタード)スケールの覚え方(Circle of 5th編)>
Circle of 5thを使った筋トレ編では、シンプルに左手でⅤ7に当たる和音を押さえて、右手で2オクターブ分オルタードスケールを往復する練習をしましょう。
C7がⅤ7の例を挙げれば、
左手でド、ミ、シ♭を押さえて、
右手で上記のオルタードスケールを2オクターブ順番に上って、下ってきてください。
これをCircle of 5thを使って12キー全てのコードで、順番に行います。
単純作業に感じるかもしれませんが、自分の体にこのオルタードの響きを覚えさせることになりますし、上達してくるとただこのオルタードの音階の羅列だけを即興の中に組み込んだりする機会が出てくるはずなんです。
どうでしょうか。どんな響き、ハーモニーを感じるでしょうか。
まるで、右手だけちょっと違うキーに転調したようだけど、左手の和音にはマッチする不思議な魔法がかった感覚にならないでしょうか。
実は。そうなる理由、秘密があるんですね。(でも、これは別に知らなくても問題ないです。)
興味がある人のためだけに記しておきますが、
オルタードスケールの音階は、そのコードの裏コードのリディアン♭7スケールと全く同じ音なんです。w。
C7のオルタードスケールの音階を上記に挙げていますが、これをファ#から始めると実は、C7の裏コードであるG♭7のリディアン♭7スケールの音階になります。
リディアン♭7スケールは、ドミナント7はもちろん普通に7thのコードで使えるスケールです。
つまり、C7の時にオルタードスケールを含んだメロディを作ると、C7の和音にG♭7のメロディを重ねることになるんですね。
だから、右手だけ異なるキーに転調したような響きになるんです。
と、ウンチクはさておき。
1つ1つのキーで音を探しながら、体でオルタードの音階を覚えるまで繰り返しましょう。
<Alterd(オルタード)スケールの使い方(コード進行編)>
で、ある程度いくつかのキーのオルタードスケールを弾けるようになってきたら、実際のコード進行に合わせてドミナント7の時にオルタードを使ったソロを作ってみましょう。
コード進行は、ドミナントモーションがあればなんでもいいんですが、せっかくなので前項で使用したダイアトニックコードのコード進行を使ってみましょうか。
|F△7 |Dm7 |Em7 | Am7 | Dm7 |G7 |C△7 |Dm7 G7 :||
少しだけ修正していて、BΦ7を消しています。こうすることで、Dm7-G7-C△7のG7がドミナント7になりますね。
つまり、G7以外のところはハ長調のメジャースケール(=白鍵の音のみ)でソロを。そして、G7のところだけGのオルタードスケールを使ってソロが弾けるように練習します。
最初はテンポに合わせて弾くのは難しいので、左手はジャーンとコード和音を弾いて、右手のソロに集中しながら即興してみる練習をしましょう。
ゆっくりから始めてみてください。テンポがずれても構いません。音を探しながら、ゆっくりソロを弾いてみてください。
そして、G7の時はオルタードスケールの音階からメロディを模索します。
どうでしょうか。難しいでしょうか?笑。
いいんです。最初は音を探しながら、メロディになってるのかなってないのかよくわからないかもしれませんが、繰り返してゆくうちになじんできます。
そして、自分が魔法を使い始めていることに気が付くはずです。笑。
そして、これを転調しながら優先度の高い、F,B♭,E♭,Gなどのキーでもできるようにしてみてください。
なじんでくると、誰かの演奏を聴いていても、あ、今オルタード使った。っていうのがわかるようになってきます。
そうなってくると、どんどんジャズの魔法を使える幅が広がっている自分に気付くことができるはずです。
